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従業員満足度
従業員満足度とは
「従業員満足度」とは、従業員が自身の仕事や職場環境に対してどれだけ満足しているかを測る指標である。英語の「Employee Satisfaction」の略でESと呼ばれることもある。従業員満足度を高めることで企業の生産性が向上するといわれており、労働人口が減少する中、企業の重要な課題の一つとなっている。
エンプロイーエンゲージメントとの違い
従業員満足度が自身の仕事や職場環境への満足の度合いを表しているのに対し、エンプロイーエンゲージメントは従業員が仕事や組織に対してどれだけの情熱を持っているかや、献身しているか、あるいは貢献できるのかといった肯定的な感情全般を指している。また、後者を向上させる要因は、仕事の意義や目的、組織文化やパーパス等だといわれています。
調査手順の概要
まず従業員満足度を測定するための調査の設計を行う。質問内容は下記に記載する「従業員満足度を高める要素」を参考に、自社ならではの要素分解を行い、それを適切に把握することができる質問項目を作成する。実施方法としてはアンケートやインタビューなどの方法が考えられる。調査を実施し、データを収集し、結果分析を行う。従業員の不満や改善が必要な領域を特定する。最後に、これらの結果を基に改善策を立案し、実行に移す。改善策の効果をモニタリングし、定期的に再評価することも重要である。
従業員満足度を高める要素
従業員満足度を構成する要素はいくつか存在する。満足度を高めるため、従業員満足度の構造や要素の性質を抑えておくことは大変重要である。一般的に言われている代表的な要素は下記である。
① 仕事内容
自身が携わる仕事での自己成長や達成感を感じることができるかといった仕事内容の充実感である。他にも仕事の内容が自身の適性やスキルとあっているといった認識もここに含まれる。
② 人間関係
上司・同僚との関係性の良好さである。自身の上司が支援的で公正であることや、適切なフィードバックがあることなどが含まれる。同僚においては協力的な関係を築けていることや、活発なコミュニケーションがあり、チームワークを感じられるといったことがある。
③ 職場環境
職場環境は物理的な要素で、オフィスの設備や清潔さ、快適さ等である。特に作業する環境における安全性や作業スペース、騒音のレベルなども当てはまる。
④ 給与・待遇
給与・待遇の面では、給与の水準や公正さ、ボーナスや社会保険の加入等が当てはまる。待遇という意味では労働時間やその適性化、残業の有無や有給休暇の取得状況も含まれる。
⑤ マネジメント・評価
自身に対するマネジメントや評価に関する満足度である。上司から適切な業務指示が下されていることや、評価に対して納得感があるといったことも当てはまる。
注目される背景
従業員満足度は古くから研究や企業活動への活用がなされてきた。歴史的には、従業員満足度の概念は20世紀初頭に遡り、フレデリック・テイラーの科学的管理法により労働の効率性が強調された後、エルトン・メイヨーのホーソン実験で、労働者の心理的・社会的ニーズが生産性に与える影響が明らかになった。これを皮切りに従業員の心理的面と生産性の結びつきが活発に議論されるようになり、従業員の満足度が組織の成功に不可欠であるとまで認識されるようになった。
近年ではグローバル化と技術革新に伴い、優秀な人材の確保と維持が企業の競争力を左右する重要な要素となっている。労働市場が流動的になる中で持続的な成長を目指して、企業は従業員視点での「満足度」を高めるだけではなく、会社の方向性との適合性とエンゲージメントを高めることに動いている。
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