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総額人件費

総額人件費とは、従業員に支給する給与や福利厚生費等、人にかかわるコストをすべて合計した費用のことである。内訳は、基本給・固定的諸手当・変動的諸手当・賞与からなる現金給与と、退職金・法定福利費・法定外福利費・教育訓練費・採用募集費等からなるその他人件費である。一般的に、従業員1人当たりの総額人件費は基準内給与(基本給と固定的諸手当)の約1.7倍にのぼるとされている。

自社の総額人件費の適正水準を算出するには、主に以下の方法がある。

  1. 経営計画からの算出
    予想売上高と人件費を除く費用の予想を行い、想定利益額から支払可能な総額人件費を算出する方法。
  2. 経営指標からの算出
    売上高人件費比率や粗利益に占める人件費比率、1人当たり売上高等の財務指標から総額人件費を算出する方法。
  3. 業務分析による算出
    業務量調査を行い、それらの業務遂行に必要な人員数を算出し、それに平均給与を乗じて算出する方法。上記2点に比べ適正水準を正確に算出できるが、算出には多大な時間と労力がかかる。

人件費の適正化や適切な付加価値の分配を行なうためにも、上記の方法等を使って適正水準を算出し、実態との比較を行なうことが必要になる。適正水準と実態にギャップがあるのであれば、人件費構成の見直し、賃金調整、労働時間調整、人数調整等の施策を検討することになる。

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