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2009年問題
- 2009年問題とは、主に製造業(自動車や電機など)で働く多くの派遣社員が、2009年度中に契約期間の上限である3年目を迎えるため、企業は多くの派遣社員を直接雇用に切り替える義務(労働者派遣事業法第40条)を負う可能性が発生するという問題である。
- 2004年の労働者派遣法改正で製造業への派遣が認められたことにより、企業は何かと規制の厳しい請負契約から派遣契約へのシフトを開始し、2007年の同法再改正で契約期間が1年間から3年間へ延長されたことにより、これを見込んだ企業は2006年に請負契約から派遣契約へのシフトを本格化した。
- 更に、2006年には「上場企業会計改革および投資家保護法(通称SOX法)」への対応で不適切な請負を排除する傾向が強まっていた中、実態は派遣であるが、業務請負のように偽装する偽装請負が露見し、社会問題となったため、企業は請負契約から派遣契約へのシフトを加速した。
- このような背景の下、その期間(2006年)に採用した多くの派遣社員が、一斉に3年間の契約期間満了を2009年度中に迎え、企業の対応が注目されていた。しかし、この2009年問題は、サブプライムローン問題に端を発した世界的な恐慌に伴う、企業の急激な収益悪化を理由に、派遣社員の契約解除・契約更新停止といった派遣切りという形で決着しつつある。
- 旧来、企業は多くの派遣社員を直接雇用し、直接雇用できない部分を請負契約に変更しない限り、生産ラインを維持できないとされていた。しかし、サブプライムローン問題に端を発した世界恐慌に伴い、必要となる総生産量が減り、ラインの稼働率が低下したため、満了に伴って派遣契約を終了したとしても生産への影響は低く、これを機に2009年問題を解決させようとしているとして、企業に対する非難があるのも事実である。
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