理想の目標管理とは?
2015年11月04日評価に用いる目標管理は、事前に決めた各目標の達成度で評価するべきであり、目標そのものに関連しない要因は排除する必要があると言われています。 A社員の上司であるあなたは、上期終了に伴いA社員と評価面談を行っています。A社員は上期の目標は達成していますが、A社員は、他のメンバーへの支援・指導、月次の部会への参加、委員会の参加などの取り組みは避けるなどの傾向が見られ、設定されていた目標以外の取組みに対して後ろ向きな姿勢が見られました。このことから、評価者であるあなたはA社員の評価ランクを1つ下げました。これに対してA社員は、目標を達成したのにも関わらず評価を下げられたことに納得していません。
さて、今回の場合において、解決策として正しいものは次のうちどれでしょうか?
A社員は当初の目標を達成したので評価を1つ下げたことは取り消す
被評価者全員の上期目標管理項目に、「他メンバーへの支援・指導」「月次の部会への参加」「委員会の参加」をさかのぼって追加する
「他メンバーへの支援・指導」「月次の部会への参加」「委員会の参加」は会社として求めるものであるのでA社員の評価は1つ下げたままで上位者に評価結果を報告する
目標管理は、期初に設定した目標の達成度を評価するものであるので、原則「設定した内容」以外の要素を加味した評価は妥当ではありません。 したがって、評価者としては設定した内容にのみ注目して評価を行います。 また、正解以外の選択肢にあるように、後出しジャンケンのように、事後的に目標を変更することは適切ではありません。
今回のケースのように、目標に設定されていない事項を評価に加味したい場合には
・目標管理以外の評価のしくみで評価する
・評価会議を開き、最終的に総合的な観点を加味して評価を調整する(事由を明記し記録に残す)
・日常的なマネジメントの中で指摘する
などの対応が考えられます。