自身のコミュニケーションスタイルを
理解すると共に、組織内役割の
再認識を通して、一体感のある
組織形成を実現する。
株式会社セカンドファクトリー
取締役 品質管理責任者 兼
情報セキュリティー責任者
大関 謙吾 様
- 事業内容
- 様々なテクノロジーを駆使し、UXに着目したインターフェイス及びシステムの開発 など
導入事例概要
- 導入した背景を教えてください
弊社では、UX(ユーザーエクスペリエンスデザイン)に着目したユーザビリティの高いインターフェイスやシステムの開発を行っています。これらを実現するためには、今までに蓄積したノウハウを活用することはもちろんのこと、プロジェクトメンバーがシステムの利用者側の立場に立って考え、ブレーンストーミングを行い、システム開発の要件を様々な角度から洗い出します。このブレーンストーミングでは、役職や年齢等は関係なく、今までに蓄積されたノウハウや各エンジニアの知識や経験に沿って、自由に意見を出し合い、あらゆる可能性を検討していきます。つまり、このブレーンストーミングは、UX(ユーザーエクスペリエンスデザイン)を実現するプロセスの中でも、非常に大切なプロセスと言えます。このプロセスを効果的に機能させるためには、自由闊達に意見が出し合える環境を整備することが重要です。しかし、抽出~整理された要件を具現化する場面(システム開発の側面)においては、“自由に”とはいきません。高いシステム品質を担保するために、開発ルールに沿って、自身に与えられた役割を理解し、役割に沿って職務を正確且つ的確に遂行することが求められます。
つまり、「立場にとらわれない自由闊達さ」と「組織内役割の理解と遵守」。このふたつの考え方が並存し、それぞれを機能させることで、UX(ユーザーエクスペリエンスデザイン)が実現できると言えます。今回はこれらに磨きをかけることを目的に、人材育成プログラムを導入しました。
- 導入したサービスの詳細を教えてください
「立場にとらわれない自由闊達さ」を促進するための施策として、意思伝達力育成プログラムを導入し、「組織内役割の理解と遵守」に対する施策として、組織行動力育成プログラムを導入しました。弊社は組織内の風通しが良い会社だと自負しています。しかし、一般的にトップ層だけがそのように感じているケースが少なくないことも理解しています。弊社ではトップ層の独りよがりにならないように、常に目を凝らして社員の活動をウォッチしています。特に弊社の場合は、こういった組織風土のあり方そのものが、システムの品質をも左右すると考えており、大切な事柄と理解しています。今回のプログラムの導入は、今以上の強化や梃入れの意味も込めた導入でもありました。
- サービスを導入した感想はいかがですか
思伝達力育成プログラムでは、日頃のコミュニケーションスタイルの振り返りから、コミュニケーションの癖を明らかにすることで、コミュニケーションを通して相手に与えている影響や、自身の強み・弱みの理解を促進しました。意思伝達力育成プログラムの良さを感じたところは、日常の振り返りをベースにしているところです。コミュニケーションに関する新しいスキルやスタイルを学ぶだけでなく、日常の振り返りを効果的に行うことで、自分自身の知らない自分の発見に繋がり、弊社社員の受講に対する動機も高まっていたように感じています。
組織行動力育成プログラムは、受講者である弊社の社員自らが、自分自身や組織の行動特性を客観的に分析する仕組みになっており、弊社社員も真剣に自分自身や自身の組織の行動特性を分析し、具体的な行動目標を策定していました。これは今までの研修プログラムでは見られない光景でした。研修プログラムを通して、自分自身の行動特性や強み・弱みを、浮き彫りにするものは多くありますが、組織行動力育成プログラムでは、自分自身の行動特性や強み・弱みを浮き彫りにするだけでなく、受講者自らが、自身の行動特性や強み・弱みを楽しく且つ具体的に分析でき、今後どうすべきかを真剣に考えられる内容になっており、受講した社員からも満足の声を聞いています。 今回実施した研修プログラムでは、「立場にとらわれない自由闊達さ」と「組織内役割の理解と遵守」に対する理解を深めるだけでなく、行動特性を分析するといったUX(ユーザエクスペリエンスデザイン)を実現する上で必要な能力の理解も深める事が出来たと考えています。
一般的にシステム開発会社では、ITスキルに偏重した人材マネジメントを行っているケースが多いとよく伺います。確かに弊社でも、コードやプログラムが書けないと仕事にならない現状もありますので、ITスキルの育成・強化は必須事項です。しかし、最近の市場動向においては、ITスキルに特化するだけでは、エンジニアも会社も生き残っていくことが難しいと言えます。
ひと昔までは、ある業務フローをシステム化し、単純な自動化・効率化を図ると言ったシステム導入が主だったと思います。しかし、ITがより身近になり、一般化されることで、“いかに使い易いか”“いかに分かり易いか”と言った「人が使う観点」にも注力して開発する必要が出てきています。こうなってくると、ITスキルだけに偏重したエンジニアが開発を行ってしまうと、本質的な要件を抑えきれないまま、技術に偏重した開発を行ってしまうケースがみられ、オーバースペックの開発になってしまったり、度重なる仕様変更を招いてしまいます。ITが今後も更に一般化され、日常の一部になればなるほど、エンジニアや会社は技術に偏重するのではなく、利用者の立場に立って考えるといった発想が、より求められるようにもなってくると思います。
弊社においては、今回行ったような「人間性を高める」と言った観点の人材育成は、中長期的な組織力強化に欠かせない取組みであると考えています。