仮説を検証し、
次世代の人事制度へ繋げていく。
株式会社リンク
代表取締役社長
堀田 欣弘 様
経営管理部 部長
植田 巌 様
事業内容
フリーペーパー取次事業、ダイレクトプロモーション事業など
課題
導入事例概要
組織に目を向けた時の強み・弱みを検証したかった。
“- 御社が抱えていた問題とはなんだったのでしょうか?
現在我が社の人事制度は、動機づけに使うツールを人事領域で使用し、評価軸に置いたものになっています。
弊社の事業規模では、個人の力が業績に大きな影響を与えるため、行動特性や作業プロセスにフォーカスを当てる人事制度を採用しているのです。
ところが、個人にフォーカスを当て続けていると、徐々に組織の中で軋轢が生じてきたり、プロセスを重視するあまり、作業をこなすことが目的になったりと、本来の目的からズレが出てきてしまいました。
そこで、これから先10年、20年を考えた時に、個人から組織にフォーカスを変えていくべきではないかと思い、「新しい人事制度」を構築することにしたのです。
しかし、組織として考えた時の強み・弱みがはっきりと分かりませんでした。
そこで、今後組織として活性化していくためにはどのような課題があるのか、検証する必要があると感じ、仮説を立てた上で、HCSurveyを実施したのです。
我々だけでは気付けなかった視点を提示してくれました。
“- 弊社に決めた一番のポイントはどこですか?
一番の決め手は項目軸に色々な軸を持たれていたことです。
我々で考えた項目だと、どうしても主観になってしまいます。
「こうだろうな」という先入観が入ってしまうのですが、それを人事のプロフェッショナルの視点から客観的に細かく設定していただきました。
ただ、ひとつだけ懸念もありました。弊社の会社規模で、沢山の項目調査をした場合、本当に正確なものが出るのだろうかという点です。
しかし蓋を開けてみると、懸念は払拭され、むしろ我々が想定していなかった結果が見えてくるなど多くの気付きがあり、多様な項目で調査していただいて本当に良かったと感じております。
仮説とはまったく違う結果に驚きました。
“- HCSurveyの結果から、どのような気付きがありましたか?
私の立てた仮説は「経営理念やビジョンはあまり分かっていないだろう」「戦略は分かっているだろう」というものだったのですが、実際はその逆でした。
あんなに社員が理念やビジョンをしっかり理解しているとは思わなかったのです。
一方、戦略に関しては、腑に落ちていない部分がある事が分かりました。
これまで、個人の方針シートを見てきた限りでは、ある程度理解されていると思っていたのですが、もしかすると、評価に合わせた回答をさせてしまっていたのかもしれません。
この結果は、細かな調査をしていただいたからこそ発見できたものでした。
「こうだろうな」と先入観で進めてしまう事の恐ろしさを改めて痛感しました。
もう一つの気付きは、想像以上に現在の人事制度に対する満足度が高かったことです。
個人やプロセス重視の評価に対して、潜在的な不満がもっと出てくると思っていたので正直意外でした。
今後、フォーカスを組織に移行していく際、どう構築していくかという課題がより鮮明になりました。
- 結果から見えてきた今後の課題はなんでしょうか?
「戦略の理解」が低かったことを踏まえ、現場のトップマネジメント力を強化することが必要になると考えます。
上長から言われた戦略をその通りになぞっただけで、本人が本当は納得していない場合があるかもしれません。それを正直に言える信頼関係を構築する必要があります。
そして、「組織」としての視点を養うため事業所や部門の垣根を超えたプロジェクトを進めようとも考えています。
正直、満足度が高い時に人事制度にメスを入れて良いのかという葛藤はあります。
しかし10年後の社会がどのような形になっているかを想定した時、今手を打たなければならないと感じるのです。
15年前、今の制度を導入した当初も反発の声はありました。
しかし今では非常に馴染んだ制度となっています。
このように経営者として先を見据えて変化させていく必要があるのです。
では今後どのようにソフトランディングしていくのか、または一気に変えるのか、それを慎重に検討していかなければなりません。
事業の成長は人の成長とイコールだと思います。
“- 今後、目指しているビジョンを教えてください。
私は、「事業の成長 = 人の成長」だと思っています。
自ら挑戦していく、失敗してもそこから何か学びを得ることで社員が成長していくことが大事だと考えているのです。
しかしあくまで、させられている感ではなく「自ら気付き行動していくこと」を大切にし、10年後、20年後も成長し続ける会社でありたいと考えます。